北海道最初の回転寿司。
なんてソワソワする言葉だろうか。
今でこそ北海道では、「根室花まる」や「トリトン」、「ぱさーる」など、いわゆる「グルメ回転寿司」がしのぎを削り、ネタの新鮮さやデカさで勝負をしている。
そんな回転寿司が好きな自分も「北海道の三大グルメ回転寿司」を勝手に決め北海道中をまわり、それぞれの本店にも足を運んできた。
だが、そんな北海道にすべての始まりともいえる回転寿司が存在する。
それが今回紹介する回転寿司である。
そもそも、元祖や発祥と呼ばれる老舗の料理は、必ずしもハチャメチャにウマかったり、派手だったりするわけではない。
石狩鍋発祥の店「金大亭」も、食べさせてくれたのは素朴な石狩鍋であった。最初に味噌ラーメンを始めた店も、実際の評価は賛否両論だったりする。
レジェンドとは、そういうものだ。
周りに土俵を合わせない。なぜなら最初だからだ。
今回は、まさにそのお手本ともいっていい店を紹介しよう。
北海道初の回転寿司「あじこう」とは
意外にも北海道最初の回転寿司は、札幌最大の繁華街・すすきのにある。
「あじこう」は1970年(昭和45年)創業。公式案内によると、北海道で初めて回転寿司を始めた店である。
すすきの駅から歩いてすぐの場所にある。
入ったことがなくても、無意識に一度は建物を見たことがある人も多いと思う。

正面にはココノススキノが見え、名物のニッカおじさんからもすぐである。
すぐ近くにはラーメンなら「嶋や」。

他のグルメ回転寿司と比べると、少し地味。
しかし、どこか一線を画すなんともいえないオーラがある。周りを気にしないというか、味競争の土俵から降りているというか…
我が道を行っているかのような空気感があるのである。

昔ながらの店内とメニュー
店内はこんな感じ

なんとも、いかにも昔ながらの回転寿司といった感じ。
「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるような店内である。フードコートの一角にあってもおかしくないというか、変にきらびやかではない。
アトラクションのような「なごやか亭」とは大違いなのである。
「あじこう」のメニュー
メニューはこんな感じ。

しっかり定番を押さえつつ、タコ頭や山わさび巻きなど、北海道らしいツボもしっかり押さえている。
こうした食べ比べメニューもある

黒板メニュー

宮城サーモン、ホッキサラダ、生ホタテなど、さまざまなラインナップが並ぶ。
自分が訪れた際の客層は、体感で外国人観光客が5割、国内の観光客が3割、地元客が2割といった雰囲気。
やたらとひらがなの多いメニューがあり、その一方で異様に高く感じるメニューもあったりする。
生ホタテ990円は、さすがにやりすぎかもしれない。
老舗とはいえ、ここはすすきののど真ん中。安い皿と高級ネタを織り交ぜ、ヒットアンドアウェイで戦っているといった感じだろうか。
実際、外国人観光客はウニなどの高級食材を頼みまくっている。

だが、こちらはこの店の使い方を知っているので、そんなことはまったく関係ない。
以前紹介した「瑠玖&魚平」と同様、店の楽しみ方というのは人それぞれ。
今回は、この店に特化したコスパカ流の楽しみ方を紹介したい。
コスパカ的「あじこう」の楽しみ方
それでは…「あじこう」にそこそこ通って見つけた、コスパカ的最高の楽しみ方をご紹介しよう。
180円皿のタコ頭、150円皿のうずら納豆。そして、550円の日本酒「豪快」。
この3つを外さず頼んでみてほしい。
個人的には、あじこうで一番コスパがよく、クオリティも高い組み合わせ。なんなら、これだけ楽しんで次の店へ行ってもいいと思う。
もちろん、マグロをはじめとした他のネタも普通にウマいのだが、あくまでここはネタ競争には参加しないレジェンドなのである。
ネタの新鮮さやデカさで勝負する寿司を食べるなら、目の前にある「ココノススキノ」の「根室花まる」や「魚のネムロ ふくはら」に行くべし。
まずはタコ頭!

見よ!!
この、きれいすぎるタコ頭。
一見するとタコ頭とは思えないくらいツヤッツヤで、まるで上質な白身魚のようなビジュ。
正直、ここまで上質なタコ頭は、そこそこのカウンター寿司屋でも出てこないかもしれない。
これを日本酒「豪快」と一緒にいただくと……

ウマい……!
これがヤバいのである。
八角や厚切りの白身魚を思わせるようなウマさが、感動へと導いてくれるだろう。
こちらは、ある日のタコ頭ダブル。

仕入れや状況によって、最初に載せたようなビジュのタコ頭に出会えないこともある。
しかし、こちらは分厚くてデカい。これはこれで楽しめるのだ。
うずら納豆

通称「飲めるうずら納豆」。
これが好きで「あじこう」に通い、ダブル、トリプルで頼んでいく地元客もいる。

ネギをどかせば、うずらと納豆がきれいにバランスよく配置されている。
一度口に入れれば、二つが一体化して胃へと流れ落ちる。噛むという感覚を置き去りにして、一つの液体のようになり、喉の奥を通過していくのだ。
ウマさとともに、何が起こったか分からないうちに皿から消えているだろう……!
その余韻を日本酒「豪快」で流し込めば、最高の景色が見えるはずだ……。
山わさび巻き

適量の山わさびが、海苔と米にしっかり混ざり合う。バランスがいいとは、こういうことをいうのだろう。
「マイキー」の「どっさり山わさび冷奴」のような、バランスを無視したものもいい。
だが、きっちりバランスを保ってくるところに、昔ながらの良さがある。
まだまだ頼んでもいいのだが、あくまでコスパカ流。
この店の強みを楽しんだら、また次へと飲み歩くべきなのである。
無料の「わかめ汁」
実はここ、あまり大々的に出していないのだが…
「わかめ汁」が一杯だけ無料なのである。

あまりの黒板の書き殴り具合に、「本当にタダなの?」と感じ、ちょっと頼みにくい…
だが、そこは無視しポーカーフェイスで常連のように「わかめ汁ください」と言ってみよう。
店員さんも、当たり前のように無料の「わかめ汁」を運んできてくれる。

こいつが量も味もちょうどよく、飲み歩きの最初はもちろん〆にもいい。すすきので飲み歩き、食べ物も食べた…
「ラーメンはちょっと重いし、翌日に響くかな……」
そんなときは、〆で「あじこう」に来るのもオススメだろう。
タコ頭、うずら納豆、そして好きなネタを軽くつまみ、「わかめ汁」でフィニッシュ。
そう…各々、好きなように「あじこう」を使って楽しんでいいのだ。
「あじこう」の総評
静かなる重鎮。

そう呼ぶべきだろうか。
北海道で初めて回転寿司を始めたという事実を、大々的に売り出すわけでもない。
そこにあるのは、どこの地域にもありそうな、地元密着の空気感。
派手さもなければ、ネタも北海道らしいツボを押さえてはいるが、全体としては普通。

だが、そこには「老舗」「レジェンド」としての堂々たる風格がある。
いわゆるグルメ回転寿司がひしめき合う競争の土俵には乗らない、圧倒的なマイウェイさ。そして、しっかりとした強みも持っている。
「タコ頭」、一見すると何の変哲もない「うずら納豆」、そして山わさび巻き。北海道らしい定番を押さえ、その強みがトップレベルにちゃんとウマい。

そんな素晴らしさと、いつも「すすきの」の入り口に君臨し安心感を振りまく回転寿司なのだ。

周りの土俵に合わせる必要はない。
なぜなら、北海道で最初にその土俵を作ったのは、この店だからだ。
老舗の空気感を感じながら、この店の強みをうまく使って楽しんでほしいと思う。
ごちそうさまでした!!

店舗情報
- 店名:あじこう 札幌すすきの店
- 住所:北海道札幌市中央区南4条西3丁目3-1 第1グリーンビル1F
- 営業時間:月〜木・日曜12:00〜24:00/金・土曜12:00〜翌1:00
- 定休日:不定休
札幌・すすきの記事はこちら
→ 札幌の寿司おすすめ9選
→【札幌】すすきの居酒屋&せんべろ
→すすきので飲んだ後の味噌ラーメンまとめ
→【札幌】店根室はな丸5年ぶりレビュー
→【物申す】回転寿司はなぜ1皿2貫?
→【札幌】千春寿司を体験


コメント