「高菜、食べてしまったんですか!?」
かつてインターネット上で、こんな恐ろしい言葉が話題になったラーメン店をご存じだろうか?
ラーメンより先に高菜を食べると怒られる。写真撮影は禁止、場合によっては退店させられることもあるという。
なんだその恐ろしいラーメン屋は…!
そんな伝説の店が福岡にあるというので、今回の旅で訪れてみようと思ったのだが、実は直前まで行くべきか迷っていた。
というのも、せっかくの福岡旅行。
ウマいものを食べに来たのに、わざわざ怒られて嫌な気分になるのもどうなのだろうか。
ラーメン一杯のためにそんな緊張感は味わいたくない。
しかし、最近は昔ほど厳しくないという情報もある。ここまで来たのだから、思い切って訪れてみることにした。
すると……。
なんと、そこには想像とはまるで違う光景が広がっていたのである!!
「博多元気一杯!!」とは? 看板もない伝説のラーメン店
今回訪れたのは、福岡市博多区下呉服町にある「博多元気一杯!!」。

1999年7月14日創業の豚骨ラーメン専門店で、地下鉄箱崎線の呉服町駅から徒歩6分ほど。博多駅や中洲の中心部からは少し離れた場所にある。
福岡のラーメン好きにはよく知られた存在で、食べログの「ラーメン WEST 百名店 2025」にも選ばれている実力店だ。
そんな有名店の外観がこちら。

……ここか
大きな看板もなければ、暖簾も見当たらない…
マンションの1階にある、なんとも目立たない入口。何も知らなければ、そのまま通り過ぎてしまいそうである。

しかし、入口付近をよく見てみると……。
青いバケツがぶら下がっている!!

実はこれこそが、昔から営業中の目印として知られる、あの有名な青いバケツなのだ。ちなみに本来は吸い殻入れらしい。なんとも独特な目印である。
とはいえ外にメニューも記載されてて意外に良心的である。

勇気をだして扉を開けることを決意…!
「博多元気一杯!!」に入店
店内はこんな感じ。

カウンターに通されたがふと横に目をやると…!
バケツばかり!!

青いバケツだけでなく、ピンクや黄色の小さなバケツまであるぞ…!
なんなら、レジ前に置かれた用事入れまでバケツになっている。もはや店のシンボルとして完全に定着しているようだ。
4人がけ席もあり、木目調のテーブルが並ぶ、昔ながらの素朴な雰囲気。殺伐としてそうで殺伐でない。
そして気になる接客だが……。

あれ?
むしろ丁寧…
店主やスタッフの対応は穏やかで、特に厳しいルールを押し付けられることもなかった。
かつての噂を知っているだけに、これは少々拍子抜けである。
「高菜、食べてしまったんですか!?」あの伝説は今?
そもそも、この店がネット上で広く知られるようになった理由のひとつが、例の「高菜事件」である。
2004年ごろに公開された訪問体験談が、2ちゃんねるなどで繰り返し紹介され、いつしかネット上の有名なエピソードになった。

ラーメンより先に高菜を食べると怒られる。スープを先に飲まなければならない。写真撮影も禁止。
そんな話が広まり、ラーメン好きの間では、ある意味で伝説的な存在になっていたのだ。
しかし店内の壁を見てみると……。

撮影OK
なんと、わざわざ掲示されているぞ!
以前の撮影禁止というルールはすでに緩和されており、現在はラーメンも店内も撮影できる。
携帯電話についても、禁止されているのは店内での通話のみ。そして、もうひとつ気になる掲示を発見した。
当店から高菜が消えました。

あれほど有名だった高菜が、店から姿を消してしまったのである…
掲示によれば、2018年5月、国内産高菜の不作によって原料が入手できなくなり、提供を休止したという。
とはいえ…
真相は闇の中である。
高菜事件が有名になりすぎたせいでもしかして廃止ということも考えうる。

ただし、店内には今も食事中のマナーについての掲示がある。他のお客さんの迷惑になる行為などは控え、普通に食事を楽しめば問題なさそうだ。
昔の噂だけで身構える必要は、少なくとも今回の訪問では感じなかったのである。
ラーメンは1,000円! 臭みのない濃厚クリーミー豚骨がウマい
前置きは長くなったがここはラーメン屋である。
前提としてウマいかどうかが大事なのだ。
メニューはこんな感じ。

基本のラーメンで1,000円。キクラゲやチャーシューを追加すれば、1,300円〜1,800円になる。
正直まあまあ高い。

ゆで卵も150円というのもなかなか…「カラなし」表記がジワる。
博多には比較的リーズナブルな豚骨ラーメン店も多いだけに、強気な価格設定ではないだろうか。
さて、しばらくして運ばれてきたラーメンがこちら。
おおお!

美しい乳白色のスープ!!
具材はチャーシュー、キクラゲ、ネギというシンプルな構成。

目を引くのは何といっても、丼いっぱいに広がる白く濃厚そうなスープである。
さっそくレンゲですくって、ひと口飲んでみる。

むちゃくちゃクリーミー
まず驚くのが、まったりとしたなめらかな口当たり。豚骨の旨みがしっかり感じられる濃厚なスープなのだが、特有の臭みがほとんどないのである。
クリームシチューを思わせるような、なんともクリーミーな舌触り。
濃厚なのにクセがなく、実に食べやすい。
豚骨ラーメンの独特な香りが苦手な人でも、これならおいしく食べられるのではないだろうか。子供から大人まで、幅広い世代にもおすすめできそうな味だ。
続いて麺…

これがまた、なかなか細い。
見た目はそうめんを思わせるほどの極細麺なのだが、食べてみると、ちゃんと博多豚骨ラーメンらしい麺なのである。
濃厚なスープが細い麺によく絡み、するすると口の中へ入っていく。
これはちゃんとウマいと言える一杯だ。
かつての厳しいルールばかりが話題になりがちな店だが、ラーメンそのものの完成度が高い。
長年人気を集めているのも納得なのである。
欲をいうと具が少ないかも…1,000円するのでもうちょいあれば…!
カレールーが味変! 豚骨ラーメンが変化
さてここで気になる表記…「カレー味替え玉」だ。

豚骨ラーメンにカレーを組み合わせるという、なかなか個性的な食べ方なのである。
今回は替え玉まではしなくていいかなと思ったため…
カレールー単品を注文。
50円プラスすればカレー半替え玉もできるので、食べれる人はそっちを選ぶといいだろう。
運ばれてきたのは、小皿に入ったカレールー。

見た目はなかなか濃厚そうである。さっそく、白い豚骨スープに加えてみる。
すると……。
おお〜なるほど!

もともとまったり濃厚だった豚骨スープに、カレーの旨みとコクが加わり、まったく違う表情を見せ始めたのである。
一見すると意外な組み合わせなのだが、なかなか相性抜群。
しかも、単にカレー味がつくだけではない。豚骨スープのまろやかさがあることで、普通のカレーラーメンとはまた違った味わいになるのだ。
ただちょっと濃い…!

もともとのスープが濃厚なだけに、カレーを入れすぎると味がかなり濃くなるかもしれない。
少しずつ加えて、好みの濃さに調整するのがおすすめだ。
また、カレーをしっかり楽しみたいなら、麺と一緒に味わうのはもちろん、小ライス200円を追加するのも面白そう。

コスパカ的には次行く時はカレーはしなくてもいいかなと思ったのである。
やはり最初のスープがあまりにも衝撃だったのだ…
「博多元気一杯!!」の総評
気軽に入れるラーメン屋に激変。

そんな感じだろう。
看板のない外観や青いバケツなど、昔ながらの独特な雰囲気は健在。
最初の一歩は踏み出しにくいかもしれない。

だが、撮影は禁止されておらず、接客も穏やか。かつてネットを騒がせた高菜も、現在は提供されていない。
時の流れが全てを変えたのかもしれない…変わったからこそ自分も行くことができた。
そして肝心のラーメンは、臭みのない濃厚クリーミーな豚骨スープが実にウマい。

とはいえコスパ的には価格は高めである。ラーメンにあれこれをトッピングしたり、ご飯をつけたりしているとまあまあ高くなるだろう。
とはいえ、他店とはひと味違う一杯を楽しめる店であることは間違いない。
「高菜、食べてしまったんですか!?」
そんな伝説を知っている人も、知らない人も。
福岡を訪れた際には、ぜひ一度、あの青いバケツを探してみてはいかがだろうか。

店舗情報
- 店名: 博多元気一杯!!
- 住所: 福岡県福岡市博多区下呉服町4-31-1 ゾンターク博多Ⅰ 1F
- アクセス: 地下鉄箱崎線「呉服町駅」から徒歩約6分
- 営業時間: 11:00〜20:00(L.O.19:30)
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