司令塔。
それを聞き、何を思い浮かべるだろうか?
人によっては、サッカーでゲームを組み立てる選手。
また、オーケストラの指揮者のように、すべての音のタイミングをコントロールする存在を思い浮かべるかもしれない。
様々な世界に「司令塔」と呼べる存在がいるだろう。
そして北海道・旭川でも、見つけてしまったのだ。
一人で店のすべてを切り盛りする。そのテンポの良さと的確さ。そして店の空気作り。
店主自身もプレイヤーとして動きながら、店そのものを回していく司令塔がいる焼鳥屋を。
しかも、そこに集まる地元のお客さんまで自然とその流れに加わっていく。
もちろん、旭川名物の新子焼きも…!
そんな地元民が集う、なんとも居心地のいい焼鳥屋をご紹介したいと思う。
「らんまん焼鳥」とは
この店は旭川駅から10分ほど歩いた場所にある。

旭川平和通買物公園を抜け、少しだけ外れた場所にある名店街『5・7小路ふらりーと』の入口辺り。
すぐ隣には、以前紹介した「ぎんねこ」とはくっついてるんじゃないか?と言えるくらいの近さなのである。もちろん5分以内には「炭や」と「銀鍵3・6焼肉店」もある

正直言うと、この日は有名な「ぎんねこ」に最初は入りたかった。
休みだったため、近くで営業していて名物「新子焼き」も出してそうなためなんとなく入った。
しかし結果的には、この店ならではの個性を感じることができて、本当に入ってよかったと思うことになる。
外からは意外と中の様子が見えない。
未知な店でもあったため、初見だと入るのに少し勇気が必要だった。

意を決して入店で!
「らんまん焼鳥」に入店
店に入ると、いきなり元気な店主ママの
「いらっしゃい!」
という声。

そして、あまりのカウンターの細さと狭さにビビってしまう。ドアを開けてすぐ、お客さんがワイワイしているのだ。
これは……座れるのか?
と最初は思ったが、店主ママの「ここあけてね〜!ハイハイ!」的な声とともに、地元客がわかっているかのようにパスを受け瞬時に動く。
おかげでドア付近に座ることができた。

なんという統率力とカリスマ!
座るとこんな感じで、すぐ焼き場。昔からのトラディショナルな焼鳥屋といった感じで、たじろぐのも束の間。
「この店はスゴいかもしれない」そんなワクワクへと変わっていくのである。
見渡すと地元民もかなり多く、仕事の話などをしながら盛り上がっている。
この時点で、「ぎんねこ」の代わりになんとなく入るような店ではないのかもしれない……という思いがよぎる。
そう、ホンモノかもしれない…
という感情が芽生えだす。
だが、一人で感動していても始まらない。
メニューに目をやると、早速の旭川ソウルフード!

新子焼きのレクチャー!
いいねえ!!!
中の写真は撮り忘れたのだが、焼鳥はいろんな種類があり2本で400〜500円くらい。新子焼きは1人前1,760円、ハーフにすると990円である。
ちゃっぷ焼きは660円だった。ビールは大瓶で800円。
新子焼きのハーフがあり、ビールは大瓶。
これがとてつもなく嬉しい。
迷うことなく、瓶ビール、ちゃっぷ焼き、新子焼きのハーフを注文して待つことにした。
「らんまん焼鳥」を体験
大瓶でくるサッポロ赤星をちびちびと飲みながら、ママ店主が強火で焼き上げていく姿を眺める。

千手観音のような手捌きで焼鳥を焼きながら、客の注文を耳で聞き、新しく入ってくる客を迎え入れる。
流れるような統率力は、まさに司令塔。
たまらない空気感にウットリしていると、初手のメニューが届く。
ちゃっぷ焼き。

すばらしい……。
素晴らしすぎて惚れ惚れする。しっかりと肉厚で、絶妙な焼き加減の肉にタレが絡まる。
横に置かれた楊枝のようなもので食べるのだ…!
そう、この店には箸がない。
お客さんが「箸ください」と言うと、
「箸ありませーん!!」
といった具合。
なんちゅう常識を投げつけてくるんだ……。味の方はガチで言うことなしである。ただただウマい。

タレは濃いめ。
ビールもサクサク進んでしまう。地元民で賑わう理由がわかるぞ。ちまちまと食べながら、司令塔ママの手捌きを見ているのも大変楽しい。
そんなことを考えていたら、お目当てでもある新子焼きがきた。
新子焼きハーフ。

マジヤバ!!
なんちゅうボリュームと存在感なのだ。これでハーフ?!
見ているだけでニオイに包まれ、よだれが出てくる。素晴らしすぎる!!
もちろん箸がないので、新子焼きは基本手づかみ!周りの地元民も手づかみで楽しんでいる。

Uma〜〜(ウマァ〜〜)
ヤバすぎる。
いや、そりゃ一般的に言うと丸ごと焼いた焼鳥なのだが…やはり、この濃いめのタレと焼きたてのハーモニーには何も勝てない。
司令塔ママに対して、心の中で「カーチャンありがとう!」という気持ちが湧いてくる。気づけば、大家族ママの子供にでもなったような気持ちである。
ここで食べていると、カーチャンが、
「コショーをたっぷりつけて食べてね!!」
と、コショウをガッツリ置いていく。

いくしかないっしょ!!

ウマァ。
ウマァ。
ウマァ……。
これはやばい。
手づかみで食べる背徳さに、コショウのバシがけ。
体の中を、「今、自分はご当地のソウルフードを食べている」という、異文化との交流ともいえるアドレナリンが駆け巡る……!!!
お手拭きをくれるのだが、何個あっても足りないのである

ただただむさぼり、酒をかっくらう。
その繰り返しのタイムリープ。
いやぁウマかった……。
というところでサクッと店を出ることに。司令塔カーチャンに挨拶をして……。
ごちそうさまでした。
「らんまん焼鳥」の総評
すごい文化であった。

この一言につきる。
以前ブログでも「銀鍵3・6焼肉店」の空気感と体験がすごいと書いたのだが、こちらはまた違ったベクトルで振り切っていた。
まず焼鳥で全てワンオペという凄まじさ。

そして地元民との連携。
何もわからない自分のような観光客が入ってきても、的確な指示で店を回していく。その動きに合わせるように、常連客も自然と席を空ける。
店員と客というより、店全体が一つのチームのようなのである。
そしてソウルフードの新子焼きはなぜかコショウをバシがけするのがらんまん風という文化。箸も置いてないので手づかみが基本。

その全てを元気なママというカリスマ力で当たり前と思い込ませる空気感。どこを切り取ってもここでしか体験できないことは間違い無いのである!
まさに旭川の司令塔。いや!旭川のマエストロでもある。
とても貴重な体験に感謝でしかなかった!
ごちそうさまでした!

店舗情報
店名:らんまん(焼鳥 らんまん)
住所:北海道旭川市5条通7丁目 5・7小路ふらりーと内
営業時間:17:30〜22:00
定休日:日曜日
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