【札幌BOSSA】入店から退店までマスターと会話ゼロ。それでもまた行きたくなる不思議なジャズ喫茶

グルメ

店の人が全く喋らない。

どういう印象を持つだろうか?

静かで落ち着く店なのか…それとも、ただ無愛想なのか。

「喋らない」にもいろいろあるが、今回はピリッとしてる方だ。

最初に来店したときは、

「外したか?」

…と思ったのだが、気づけばその魔力に引き寄せられてしまう。なんだか落ち着く、という感情が芽生えてきてしまうのだ。

まさに「人による」という言葉がここまで合う喫茶店は、今まで経験したことがない。

今回は、そんな不思議なジャズ喫茶をご紹介しよう。

「BOSSA」とは

この店はすすきの駅から狸小路方面に向かった、中間地点ぐらいにある。

すすきの駅を出て、デカい大通りを狸小路方面に行けばすぐある。

すぐ近くには「すみれ」、寿司のまとめブログで紹介した「ぱさーる」「ちょこっと寿司」もある。

ココノススキノにある「根室花まる」からもめちゃ近い。

自分はホテルをだいたい10〜11時にチェックアウトすると、一息つくために毎回カフェや喫茶店を探す。

そんな中、この店はいつも看板が置いてあり、ちょっと得体が知れないが気になっていた。

ジャズ喫茶というのもいいし、コーヒーも比較的リーズナブルである。

なんとも好奇心がそそられてしまうのだ。

雑居ビルのような建物の2階にあるのだが、この日は平日の昼前。

それなのに、なんとも威圧的なオーラを放つような扉である。

張り紙は英語だが、簡単に要約してみると…

  • 「ドリンクをとても安く提供してるから現金だけ」
  • 「席は2時間」

…と、手書きで淡々と貼ってある。

すでにピリピリとしたオーラを感じてしまう。

しかも「ジャズ喫茶」だ…。その響きだけで少し緊張してしまうが、ここまで来たら入らないわけにはいかない。

…と同時に、とてつもない好奇心が高まる。

「BOSSA」に入店

入ってみるとかなり薄暗く、店内はこんな感じ。

めちゃくちゃ大量のレコードと、ワインなどが置いてある。JAZZ系の雑誌も多く圧巻。

また、かなりいい音質だなと感じるジャズが流れている。

最初の印象は、昼前なのに薄暗く、雰囲気も含めて異世界に来たような錯覚を受けた。

客層も平日の昼前という時間もあるためか、かなり落ち着いている。

入店してもとくに対応されないので、勝手に座っていいのかな〜と思って見渡していると、

「あ、絶対しゃべらなそう…」

という覇気を纏ったマスターが、こちらを見て奥の席を指さす。

「なるほど…そこに座れということか」

なんとなく暗黙のルールがありそうだな…という空気感の中、メニューを開く。

確かにこういった店にしては結構安い。

コーヒーは490円。

他にも酒やナッツなど、つまみも充実。使い勝手はかなり良さそう。

すでに気持ちの良い音質でジャズが店内に響いている。そんな中、チャージもなく、なかなかコスパはいい。

壁にはサインの量が半端ない。

ジャズの世界では巨匠と呼ばれる人や、日本人のミュージシャンも結構来てるっぽいぞ。

…と言ってもジャズ喫茶だ。

コーヒーを頼まなければ始まらない。

マスターを呼び、コーヒーを伝えるが、そこでも無言で去っていく。

「なんだここは…?」

普段ならちょっと戸惑う接客なのだが、不思議とここはそういうものだからいいのかも…と妙に納得した気持ちになる。

函館の「くいしんぼう」とは逆の接客。

「ジャズが大音量だからか?」

「誰にでもそんな接客だからか?」

「そんなマスターがこの空気感に合ってるから?」

真相はわからない。

「BOSSA」のコーヒー

ウム!よい!

「こういうのでいいんだよ」というビジュアル。

薄暗い異世界でブラックコーヒーを飲みながらジャズを聴く。

だんだん心地よくなってきた

マスターも喋らない。

客は1人が多く、ちょっと疲れたサラリーマン風のお客さんは、昼からビールを飲んでじっくり目をつぶり、ジャズを聴いている。

このあたりで「あ…いいかもここ」という感情が芽生える。

いろんな意味で「一人になれる」という気持ちと、めちゃいい音質のジャズが重なり、自分まで違う次元へと飛ばされていく感覚。

ゆっくりと持ってきていた本を取り出す。

贅沢な時間だ…。

少ししたところで音量が急に上がり、なんだか自分でも「いい曲だな!」と思うジャズが流れる。

先ほどハイネケンを飲みながらうつむいて聴いていたサラリーマン風のお客が、いきなり立ち上がり、レコード機の前へ早足で向かい出す。

近くにいるマスターも無言で、「これだよ」というジェスチャー。

そしてジャケットを見せ、また消えていく。

ここでも会話なし。

だけど、その情景だけでお互いの感情が伝わってくる。

さっき感じてた「なんだここ…」という感情がぐちゃぐちゃになり、感動すら覚えてしまう…!

結局そこまで居座るつもりではなかったが、そこそこ時間が経ったので退店。

お会計の時も、無言でレジに490円の文字。もちろん何の言葉もない。

前に会計していた人が、端数のお釣りをいらないと言った雰囲気でそのまま出ていったのを思い出した。

今回はそれに習い500円玉を渡し、そのまま店を出た。

「BOSSA」の総評

異空間

それしかない感情だった。

普段から、居酒屋や個人店は一つ一つの小さな国だと思っている自分だが、こちらは国ではなく、概念を超越している空間に感じてしまった。

もちろんこういった店は、時間帯やマスターの気分、常連や初見などで対応が変わるイメージもあるので、行った時の環境によって変わったりもする。

もしかしたら夜はワイワイしてるかもしれない。

だがそれでも、とても個性的な時間をコーヒー1杯でもらった気がした。

そして不思議と「また行きたい」という感情が溢れ出る。

おそらくそれだけ落ち着いた、ゆっくりとした空間を提供されたのと、実際にめちゃくちゃ音がいいジャズが聴けた。

そして、値段もコスパ抜群。

さまざまな要素が重なり、そんな感情になったのであろう。

調べてみると、カクテル飲み放題2時間1,850円という鬼コスパのサービスも行っている。

夜に行ってゆっくり一人で楽しむのもいいだろう。

もちろん仲間達と一緒でも。

何はともあれ、気になった人には一度この空間を体験してみてほしい。

合うか合わないかは、めちゃくちゃ人によるだろう。でも自分はまた行くだろう。

言葉にできない異次元世界。

それが、BOSSAなのだ。

店舗情報

  • 店名: BOSSA(ボッサ)
  • 住所: 北海道札幌市中央区南3条西4丁目 シルバービル2F
  • 営業時間: 11:00〜翌1:00
  • 定休日: 無休

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