「ジンギスカンは食べられない」
そんな言葉を聞いたことはないだろうか?
もしかしたら、読者の皆さんは言う側かもしれないし、返し言葉で「ここのラムは臭みがまったくないから食べれるよ!」なんてこともよくある展開だ。
今回紹介するのは、その返しにまさにピッタリの店だ。
一度も冷凍されずに運ばれた肉はやわらかく、赤身の旨みと脂の甘さがしっかりと分かる。そこへ、リンゴを使った秘伝のタレ。さらに、北海道産のエゾシカまで現れる。
羊のクセで食わせるのではなく、肉そのもののウマさで食わせるジンギスカン。
自分はラムロールやマトンに残る、あの独特な羊の香りが好きだ…!それがなければ、ジンギスカンを食べた気がしないとさえ思っている。
だが、そこまで上質を極めたラム肉もまた一つの答えである。
今回は、札幌・すすきので食べログでも高い評価を集める、そんな人気ジンギスカン店をご紹介しよう。
すすきの「生ラムジンギスカン 山小屋」とは
この店は、すすきの駅2番出口から歩いて約1分。飲食店が立ち並ぶ都通り沿い、第5グリーンビルの1階に店を構えている。
周辺には「味の羊ヶ丘」や「COCONO SUSUKINO」。
「あじこう」、「半立大衆酒場マイキー」など、以前紹介した店も集まっている。

最初に見つけたときは、
「本当にここ?」
という感情を抱いてしまった。かなりひっそりとした佇まいなのである。
ジンギスカンで以前紹介した「羊々亭」のような大箱ではなく、まさにこだわりの専門店といった雰囲気だ。
しかも、公式の事前予約枠は16時入店のみ。それ以降は当日直接訪れることになるため、並ぶこともあれば、満席で入れないこともある。
人気店なのに、入れるかどうかは運次第。
なかなかハードルの高い店なのである。
この日はたまたま人が少なく、無事に入店することができた。
本当に山小屋のような店内へ
店内はこんな感じ。

木を基調としたカウンター席が並び、その名のとおり、本当に山小屋へ入り込んだような空間である。
外から見た印象よりは奥行きがあり、少し広く感じる。
とはいえ、なかなかのこぢんまり具合だ。

席へ着くと、スタッフの方が目の前で炭を用意してくれる。
カウンター越しの距離もかなり近い。
こうして準備を進める姿を間近で見ていると、一つひとつ丁寧に仕事をしていることが伝わってくる。
とてもありがたいぞ…

炭火が入り、ジンギスカン鍋が置かれ、どんどんと準備が進んでいく。この時点で、期待が高まってくるぞ!
山小屋のメニュー

メニューはこんな感じだ。

ラム肉は大体1,200〜2,670円。
部位指定はないが、ニュージーランド産の生ラムと上生ラム。また、「石狩産ホゲット肉」というブランド肉もある。
そして、特筆すべきは北海道産のエゾシカ肉。
生ラムとエゾシカを両方楽しめるセットまで用意されている。
これはかなり気になる……!
サッポロクラシックは760円。
大衆的なジンギスカン店と比べれば、全体的に少し高めの価格帯である。一人で好きなだけ飲んで食べれば、それなりの金額になるだろう。
ただし、これだけ上質な肉を提供する人気店として考えれば、決して手の届かない価格ではない。
むしろ、生ラムと北海道産のエゾシカを一度に味わえるなら、かなり魅力的でコスパは良いと思う。
ここはせっかくなので、「生ラム&エゾシカ肉」を注文することにした。
一度も冷凍していない上質な生ラムを焼く
まずはサッポロクラシック!

プファ〜!
……うむ、心地よい。

このまま魔界まで運ばれたい気分である。
しっかりと丁寧に注がれており、ウマさは申し分なしだ。
ほどなくすると…

キター!!!
山小屋で提供されるラム肉は、ニュージーランドから一度も冷凍せず、船便で運ばれてくるという。
鮮やかで美しい赤色。
見ているだけで期待が高まり、どこかランクが上のオーラまで漂ってくる。
散々ラムロールが好きだと豪語している自分も、さすがにこれはテンションが上がる。
左側の濃い色をした肉がエゾシカ。右側の鮮やかな赤色をした肉が生ラムだ。

スタッフの方が着々と焼く準備を進めてくれる。
野菜はおかわり自由。写真では見切れているが、右側に置かれたミニトマトもおかわりできる。
こういう小さなサービスが嬉しいぞ!
さっそく、炭火で熱せられたジンギスカン鍋へ。

いい景色だ……!
これぞ、生ラムジンギスカンの風景!!
薄いラムロールを豪快に蒸し焼きにするのもいいが、上質な生ラムを一枚ずつじっくり焼くのも好きなのである。

して、山小屋のジンギスカンを完成させるのが、この秘伝のタレ。
ベースになっているのは醤油とリンゴ。
北海道でジンギスカンの草分けといわれた、小樽の「景勝園」から昭和31年より受け継がれてきたという。
余市のリンゴによる自然な甘みと爽やかな酸味がありながら、醤油のコクもしっかりと残っている。甘すぎず、しょっぱすぎず、肉本来の味も消さない。
このバランスが実に絶妙なのである。
さっそく頂く…!

やわらかい!!
羊特有のクセは驚くほど控えめ。
それでいて、赤身の旨みと脂の甘さはしっかりと感じられる。ラムロールやマトンに残る、羊らしい強い香りを求める人には少し上品すぎるかもしれない。
だが、これまで羊肉のクセが苦手だった人なら、
「ジンギスカンって、こんなに食べやすかったのか!」
と驚くのではないだろうか?
そして、山小屋へ来たならぜひ食べてほしいのが、北海道産の生鹿。

鹿肉と聞けば、独特の臭みや硬さを想像する人もいるかもしれない。
しかし、こちらもクセはほとんどなく、ラムよりもあっさりとした味わい。それでいて、噛むほどに赤身の濃い旨みが広がってくる。
これもウマいぞ……!
こうした北海道産のエゾシカを、すすきのの街中で気軽に味わえる。
そんな瞬間にも、
「自分はいま、札幌にいるんだな……」
…と、浸ってしまうのである。

そして、上質な肉から落ちた脂を吸い込んだ野菜も忘れてはならない。
もやしやタマネギが肉の旨みをしっかりと受け止め、もはや付け合わせでは済まされないウマさになっている。
生ラム、生鹿、秘伝のタレ、そして肉の脂を吸った野菜。
どこを切り取っても、申し分なし。
大変ウマかった!
山小屋はジンギスカンが苦手な人にも薦められる?
苦手な人にこそ薦めたい。

そんな店である。
ジンギスカンが苦手という人の多くは、羊肉特有の匂いやクセに抵抗があるのではないだろうか。山小屋の生ラムは、そのクセが驚くほど控えめ。
肉はやわらかく、赤身の旨みと脂の甘さが分かりやすいため、普段食べ慣れている焼肉に近い感覚で楽しめる。

そこへ、リンゴの甘みと爽やかさを感じる秘伝のタレ。
さらに、ラムの脂を吸った野菜や、あっさりとしながら旨みの濃い北海道産の生鹿まで味わえる。
ジンギスカンという料理の入口として、かなり優秀な一軒ではないだろうか。
また、人気店でありながら、スタッフとの距離が近いのも大変よかった。
「どこから来たんですか?」と気さくに声をかけてくれたり、肉の焼き方を教えてくれたりと、店内には山小屋らしい温かい空気が流れているのだ。

ただし、ラムロールやマトンに残る、あの羊らしいクセを求める人には少し物足りないかもしれない。
自分も羊肉ならではの香りが好きなので、
「思いっきり羊を食べたぞ!」
という満足感は、正直なところ多少弱かった。
それでも、クセで食わせるジンギスカンとは別に、肉質そのもののウマさで食わせるジンギスカンがあってもいい。むしろこっちが好きな人も多いだろう。
昔ながらの羊臭さではなく、上質な生ラムの旨みを炭火で味わう。
山小屋は、そんな少しランクの高いジンギスカンを、気取らず、比較的手頃に楽しめる店だった。
札幌で初めてジンギスカンを食べる人にも、これまで羊肉が苦手だった人にも、ぜひ一度試してほしい。

ごちそうさまでした!
店舗情報
- 店名: 生ラムジンギスカン 山小屋
- 住所: 北海道札幌市中央区南4条西4丁目13-2 第5グリーンビル1F
- 営業時間: 11:30~14:30/16:00~24:00
- 定休日: 年末年始
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