コーヒー焼酎。
なんともいい響きである。
東京にもウマいコーヒー焼酎を出す店はあるし、コーヒー豆を焼酎に漬け込めば、自宅でも比較的簡単に作れる。
どこかモダンで、少し洒落た酒というイメージを持つ人もいるだろう。
先日、札幌出身の友人と酒の話をしていると、「札幌に、コーヒー焼酎が有名な居酒屋があってさ〜」という話になった。
そこで、
「それって、もしかして古典家?」
と聞いてみると、
「そうそう!」
と即答。
店名すら出ていないのに、コーヒー焼酎だけで通じ合ってしまったのである。
名物ひとつで店名まで伝わるとは、いったいどれほど札幌市民の記憶に刻まれているのだろうか……!
そんなコーヒー焼酎の店が、札幌・すすきのにある。
今回は、地元の人々にも長く親しまれている居酒屋を紹介していこう!
すすきの「居酒商 古典家」は地元客でにぎわう老舗酒場
「居酒商 古典家」は、すすきの中心部から少し東側にある老舗居酒屋。
地下鉄豊水すすきの駅からは徒歩約1分、すすきの駅からも徒歩5分ほどの場所にある。近くには「ぱさーる」、「千春鮨」もある。

すすきのの奥というより、端のほうといったほうが近いかもしれない。この店を見つけたきっかけは、ネット検索ではなかった。
のんびりと周辺を歩いていると、店内からワイワイとした声が聞こえ、地元客と思われるグループが次々と出入りしていたのである。
よさげな店なのではないか?
そう感じて、足を止めたのが始まりだった。
名物やジャンルが分かりやすい店ならネットでも探しやすい。
しかし、こうした地元の人が自然と集まる酒場は、何を手がかりに探せばよいのか分からない。
ネットではなかなか見つけづらいのである。

この飾り気のない、なんともいえない外観がまたそそる。
タマラナイ。
実は最初に扉を開けたとき、店内は満席だった。「一人なら、なんとか入れるだろう」と思っていたのだが、その一人分の席すら空いていない。
何時ごろなら入れそうか尋ねてみたものの、「今日は難しいかもしれない」とのこと。
めちゃ人気店ではないか……!
それでも諦めきれず、1時間ほど経ってからダメ元でもう一度訪ねてみると、今度は無事に入店することができた。
確実に入りたいなら、あらかじめ予約必須。
すすきの「居酒商 古典家」に入店
店内はこんな感じである。

一人だったのでカウンターへ案内された。
壁にはサイン色紙がずらり。
地元客と思われる人たちや若いグループが、あちこちでワイワイと盛り上がっている。
この時点で、店への期待がさらに膨らんでいくぞ!

カウンターは一人分のスペースが広めに取られており、なかなか快適。
ほかにもテーブル席があり、店内は思っていたよりも広い。
古典屋のメニュー
ドリンクメニューはこんな感じ。
居酒屋として特別高いわけでもなければ、驚くほど安いわけでもない。
バランスのよい価格設定だろう。

食べ物のメニュー

こちらも大衆居酒屋らしい、注文しやすい価格帯である。
「えんがわ葉わさび」や「山わさび松前漬け奴」など、北海道らしさを感じるつまみも並んでいる。
そんななか、気になるものを見つけてしまった!

自家製コーヒー焼酎の量り売り!
いかにも、この店の名物らしいではないか。
しかも料金は、一杯いくらではなく1目盛り130円。
実際に注文してみなければ、どういう仕組みなのか想像しづらい料金設定である。
これは、いくしかないだろう!!
瓶ごと登場!名物コーヒー焼酎を実飲
コーヒー焼酎を注文すると、まずはお通しが運ばれてきた。

マカロニと、きんぴら風のおつまみである。
ほぼ同時にやってきたのがこちら…!!

ワイルド!!
ワイルドすぎるぞ…
なんと瓶を丸ごと置いて、自分で好きな量を注いで飲めというのだ。
そして瓶の裏側を見ると……!

目盛り!!!
この1目盛りが130円ということらしい。
なるほど、なるほど…
これは面白いシステムだ。
追加するたびに店員さんを呼ぶ必要がなく、飲みたい分だけ自分で注げる。
一方、店側も注文のたびに酒を運ぶ必要がないので、飲む側にもスタッフ側にも都合がよい仕組みなのだろう…

これが、だいたい1目盛り分をグラスに入れた量である。
氷を入れてちびちび飲むにはちょうどよい量で、1目盛り130円ならかなりコスパがいい。
味は、ふわっとコーヒーの香りが広がる。
コーヒーの風味が強すぎるわけではなく、料理と一緒に飲める絶妙なバランスに収まっているのだ。
気づけば何杯でもいってしまいそうで、怖いくらいである……!!
焼き鳥もウマい!古典家の料理を実食
コーヒー焼酎がそろったところで、今度はこれに合わせる料理を注文していこう。
まずは、メニューを見て一番気になったこちら。
えんがわ葉わさび

これが、なかなか秀逸。
えんがわの味もしっかりと感じられ、これだけでコーヒー焼酎をちびちびと飲める。
かなりいいつまみだ。
つくね

これはウマかった……!!
ひと口食べると肉汁がジュワッとあふれ、タマラナイ。このつくねも店の人気メニューらしく、周囲でも注文している人が多かった。
隣からは
「ウマ!!」
という声まで聞こえてくる。そして、北海道らしい一本。
美唄(びばい)焼き鳥

美唄焼き鳥は、北海道・美唄市の名物料理である。
さまざまな鶏の部位が一本の串に集約されているため、ひと串で違った味や食感を楽しめる。
いろいろな料理を注文しづらい一人飲みでも、これはありがたい。
もちろん、コーヒー焼酎との相性も抜群である……!
目盛り制の意外な落とし穴
実は、このコーヒー焼酎。
目盛りには、ちょっとした落とし穴がある

飲んだ量は瓶に残ったコーヒー焼酎で確認するのだが、残量を目盛りぴったりで止めるのが意外と難しい。
なにしろウマくて飲みやすい。
「あと1目盛り分だけ飲もう」…と思って注いでいると、ついつい少しだけ目盛りを越えてしまうことがある。
かくいう自分も、瓶の残量をちょうど目盛りに合わせるつもりが、ほんの少しだけ下回ってしまった。

越えたといっても、本当にわずかである。
「まあ、このくらいなら次の1目盛り分までは取られないだろう……」
そう思っていた。
ところが会計を見ると、しっかり次の1目盛り分として計算されていたのである。
古典家の目盛りに、四捨五入という優しさはない。
一線を越えた者は、その1目盛り分を背負わなければならないのだ!

そのため、目盛りを少しでも越えた場合は、次の目盛りまでしっかり飲んでおかないと、ちょっぴり損をすることになる。
最後の1杯を注ぐときは、瓶の残量を目盛りの少し上で止めておくのが安全だろう。
「居酒商 古典家」の総評
コーヒー焼酎の味だけではない。

瓶ごと置かれた酒を自分で注ぎ、飲むたびに目盛りが少しずつ減っていく。
その体験すべてが記憶に残る店なのである。
札幌出身の友人に「コーヒー焼酎」と話しただけで古典家の名前が出てきたのも、この独特なシステムを体験すれば納得だ。
味も、コーヒーの主張が強すぎず、食中酒として抜群のバランス。コーヒー焼酎でありながら、つまみにしっかりと合うのがよい。
もちろん、飯もウマい。

メニューにはラーメンサラダなどの北海道定番料理があり、つくねや美唄焼き鳥といった串焼きもしっかりウマい。

その日のおすすめも豊富で、定番居酒屋としての使いやすさと北海道らしさが共存している。
店内には地元客と思われる人も多く、ワイワイとした雰囲気も含めて、長く親しまれているのが分かる酒場だった。

すすきので、観光客向けに寄りすぎていない居酒屋を探している人には、ぜひ足を運んでほしい。
ただし、一点だけ。
コーヒー焼酎の最後の1目盛りには注意である!
一線を越えたのなら、その覚悟を持って会計へ向かおう。
なにはともあれ、ごちそうさまでした!!
店舗情報
- 店名: 居酒商 古典家
- 住所: 北海道札幌市中央区南5条西2丁目1-1
- 営業時間: ランチ 11:30〜14:00/ディナー 17:00〜翌1:00
- 定休日: なし(ランチは土・日・祝日休み)
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