釧路・根室といえば秋刀魚である。
釧路ではなくとも道東といえば秋刀魚なのだ。宮城県もウマいと聞くが個人的には北海道の秋刀魚が好きである。そんな駅に着くとワクワクが止まらなかった。
先日、釧路駅に到着し駅を降りたとき「釧路ってザンギやスパカツも有名だよな~」と、ぼんやりとしながら15分ほど歩く。すると「フィッシャーマンズワーフ」という名のやたら派手で目立つ建物を発見!
市場なのか?お土産屋の集合体?そんな施設を見つけ特産品を見て楽しんでいた。
すると突如あらわれたのがこの店だ。やたら有名人のサインが多い上に「なんじゃこりゃ」という店構えについ足を止めてしまった(ミーハー)
のれんの筆文字ロゴの下部には、情報量の多い芸能人の写真。日本っぽいデザイン配置である…
様々なところで評価されている
店頭には賛美の書物、全国発送しますの文字が記載されている。かなりウマいんじゃないか?とそそられた。実はこの後に回転寿司を食べようと思っていたため、ここで何か食べるのは控えるつもりだった。
だが…我が心の師、吉田類先生の写真が飾ってあれば話は別だ。しかも株式会社TOKIOの社長こと城島リーダーの「究極のさんまご飯」表記が眩しく目に焼きつく。
すさまじい褒め殺し展開にそわそわしてしまった。結果購入を決意…つくづくコンニャクの意思(イチタカ)
そうと決まれば購入だ
写真には納めなかったが食券制である。食券機の前でさんまんま(800円税込)を押す。限定さんまつみれ汁(250円税込)にも目がいくがここはぐっとこらえた。外が晴れていたのでベンチで食べたいな~と思い、そのままテイクアウトをお願いした。
棒状の細長い「さんまんま」が網の上でコロコロころがされる。これはウマいはず。全国発送もあると聞いたがこういう出来立てが食べれるのが本場の特権。「すぐ食べるなら店内で食っていけばいいのに」とおっちゃんはつぶやきながらハサミで棒状のさんまんまを切っていく。
ハサミなんだ!豪快だな~。心でびっくりしながらポーカーフェイス。のし紙をしっかりと巻いてくれて丁寧な仕事に少し喜んでしまう。
「さんまんま」を実食
店の先にはすぐ外へ出れるドアがある。そこをくぐると港のような景色が広がり、ベンチがあってとても気持ちいい。
さっそく取り出すとこんな感じで包まれている。いいですね。サッポロクラシックラガーをお供に…
開封するとこれは素晴らしいビジュアル…焼いてあるのだが押し寿司。小ぶりで、次何かを食べる予定があっても大丈夫そうな大きさである。
これが断面の図である。ハサミで切ったザクザク感。ご飯の下部が焼きおにぎりのようにカリカリとしていて、その間にさりげなく大葉が挟んである。そしてさんまは皮がパリパリで身がふっくらしている。これだけでも2層を感じる。
一口…
ん~!秋刀魚の脂がめちゃくちゃとろける。甘辛く染み込んだ醤油のご飯が最高にウマい。皮がパリパリとしててこれは無限に酒のアテになるな~小腹が空いた時常にストックしておきたい美味しさだ。
しかし小腹が空いた時の割には贅沢すぎる味。さんまの脂が濃厚なのに何故かサラっと甘く溶けるのでもたれることなくビールに合う。これは飲みすぎてしまう。吉田類先生のにんまり笑顔が浮かぶ。
個人的には上から「秋刀魚の皮→秋刀魚の身→大葉→ご飯→カリカリご飯」の5層を感じさせてしまう出来栄え。芸術だ。
こちらが皮がパリっとしすぎて、脂を含んだ身からはがれちゃうの図
どうやったらこんなパリっとした皮なのにふっくらした身に調理することができるのだろうか?
そう…目をつぶれば走馬灯のように思い出す。これはまさに「ダイの大冒険」のフレイザードだ。あいつは子供のころ「何で氷と炎が合わさってるの!」と興奮したが「核」という大切な役割があるから共存できる。
こいつの核は上質なさんまや!そこを見逃さなかった。空烈斬だ。目をつぶり食してほしい。
「さんまんま」の総評
「さすがは北海道」「さすがは根室のさんま」といったところだ。なんのことはないホンモノがそのまま力を発揮したというべき味だった。皮と身の共存に加えて、ご飯のカリっとした部分とふっくらとした部分の共存。そしていい仕事をする大葉。
ウマいに決まってるはずだ。今思い出してもまたつまみたい。
欲をいえばカリっとしたご飯が以外に固い。噛んだあと、旨味とともに痛みもやってくる。
おこげの宿命上はしかたないが、そこのバランスを多少ソフトに調整してもらえたらパーフェクトである。
もう一点は釧路なので出来立てをお店で食すハードルが高すぎる。恐らく北海道以外だと冷凍などの配送になりそうだ。デパートなどで行われる北海道ウマいもの展などのイベントにも出店してるらしいので、見つけたら是非ゲットしてほしい。
ごちそうさまでした。