北海道の回転寿司は総じてウマい。
もちろんそう思う。北海道は海の食材の宝庫、ネタがそもそも新鮮なのでその時点で勝ちは決まっている。普通の寿司屋で食べるなら、回転寿司で十分と札幌の友人は言う。
北海道の回転寿司は東京にも進出しているが、北海道だからこその新鮮なネタなのに??…という疑問はこの企画が終わった後に解決した。
今回は、東京進出済みの有名な北海道のグルメ回転寿司にスポットを当てた。実際にガチ本店へ行き、ウマさをジャッジしてみたいと思う。
これも過酷な企画だった。その場のノリで決めることは今後やめようと思う序章である。
北海道3大回転寿司
今回の企画で北海道の回転寿司を調べたが、結果この3つに絞られた。
- トリトン
- 根室花まる
- 函太郎
上に記載した名は、北海道のグルメ回転寿司の有名店として耳に入る名前だと思う。東京進出も果たしており、実績のある人気店。また、北海道でも様々な場所に店舗があり道民に愛されている。
その点を踏まえ「コスパカ的北海道3大グルメ回転寿司」と決めた。
また、この3店舗は北海道を訪れても地元民からよく聞き、「私はトリトン」「俺は函太郎だな」などちょっとした話ネタにもなっていた。そのため、迷わずこの3つの選出となったのだ。
まずは結論から伝えよう。
- 1位 根室花まる 根室本店
- 2位 トリトン 北見三輪本店
- 3位 函太郎 宇賀浦本店
このような結果になった。もちろん店舗によって違うのかもしれないが、本店なのだから言い訳は絶対にさせない。足で回った結果の内容をお伝えしたいと思う。実際に訪れた順に書記載しよう。
「根室花まる 根室本店」
「根室花まる」は北海道だけで15店舗、東京にも8店舗程ある。東京出店数は今回の中で一番多い店だ。まさに北海道グルメ回転寿司として、大成功を収めた店だろう。正直、この大成功も本店を食べれば納得できた。
場所はもちろん根室。最初はこのためだけに根室へ行く予定だった。しかし以前ブログで記載した「ドラクエウォークのお土産北海道制覇」と重なり、なかなかスジュールの組み方が難しかった思い出深い場所。
本店にはもう一度行きたいけど、もう行きたくないというジレンマの距離の遠さだった。でももう一度行きたいかな…
場所は根室駅から15分ほど歩いたところ。根室駅の小ささに驚いた。東京の店舗数含め、その店づくりの成功から根室は勝手に大都市だと思い込んでいたのだ。
国道沿いに歩くと、ポツンと現れるこの店。開店と同時に行ったので1番乗り!
店内の様子。いい感じにメニューが並んでいる。そして、寿司屋っぽい無骨さを感じる雰囲気がそそる。とはいえ暗いといった感じもなく心地よい。
実は通常メニュー撮り忘れてしまった。というわけで公式からいただく…
限定メニューはこんな感じ。手書きが嬉しい。
初めてのグルメ回転寿司の本店に興奮は隠せない。まず、ビールを注文後「紅鮭すじこ醤油漬け(320円)」と「生サーモン(270円)」を頼んだ。
最初から素晴らしく、今でも記憶に残る味。マジでウマかった。このトロトロとしたすじこのデカさがもう…!生サーモンも喜んで頬張っていたら、普通のサーモン(180円)が目の前のレーンに流れ出した。
え?生サーモンと同等のデカさじゃない??
これはスゴイ!脂がトロっトロ。マジでたまらなかった。そして、根室といえば「花咲ガニ」で有名な場所だ。こちらが売りの「花咲ガニの鉄砲汁(320円)」これは絶対頼んでほしい。ハサミと一緒に届けてくれる。
蟹が大きく、しっかりと中の身もたべれるのだ。
続いてなんとな〜く頼んだ「バチまぐろ」には困ってしまった。このデカさと厚みで180円だ!(公式メニューだと値上がりしてる?)
今度は「サーモンのあら汁(180円)」を注文。こちらもサーモンの脂とコクで大変なウマさ。アラがゴロゴロしている。こいつで飯が2杯はいけるだろう。200円未満でいいのこんなに?
「手剥き花咲がに軍艦寿司(430円)」、そして面白いのが「蝦夷舞茸の握り(230円)」だ。
舞茸はあたたかく素晴らしい味だった。今回レビューした3店舗に共通して言えるが、お店独自のオリジナル寿司が大変ウマい。是非試してほしい!花咲がに軍艦は、鉄砲汁とくらべると少し弱いかな…値段を下げるか、値段を上げてもっと量を入れてほしい。
そして「生ほたて(420円)」!ナンダコレハ。2段になっていてデカさがすでにバグっている。一枚ずつはがし食べたが、上段を食べてもまた出てきてしまうのだ!
こんなに大振りな帆立を出す回転寿司は初めて!感動してしまった。
店を出た瞬間、どうしようもない幸福感に包まれたのは言うまでもない。さすが北海道。根室は遠かったが本当に来て良かったと思えるネタとウマさ。
他のトリトンや函太郎にも期待をよせ、次へ向かうのだった。
「トリトン 北見三輪本店」
続いては「トリトン」。こちらは北海道で13店舗ほど展開し、東京でも2店舗進出してる。実は地元民から「トリトンが一番好き」という声を聞いていたので、大変楽しみにしていた。
場所は北海道の北見駅にある、三輪本店。北見は初めて降りたが根室と比べ都会。焼肉の街とも言われており、駅前を歩けば焼肉やホルモン屋、ジンギスカンなどが立ち並ぶ。
イメージ的には北関東っぽく。バイパスを中心に栄えてるような雰囲気の街並みだった。
北見駅を降り、少し歩けば楽勝でしょ!と思い向かうがなかなか到着しない。バスなど通りが激しいので、ちゃんと調べて乗れば早かったかもしれない…結局日が落ちていく中、1時間ほど歩き本店に到着をした。
夕飯時の時間とぶつかり、地元民の車でごったがえす。場所柄観光客よりも地元の人がほとんどを占めてる感じだ。「地元に愛されてるな〜!」というのが最初の印象。
着いた時はヘトヘト。混雑ぶりにさらに1時間待つ。さすが本店!サインが沢山飾ってある。
根室花まるは無骨なイメージが漂ったのだが、トリトンは明るくファミリー感が大変強い。また、店員さんのサービスやマニュアルが徹底されており、しっかりした印象を持った。
そんなこんなで、案内され着席。
こちらがメニューだ。
値段感は「根室花まる」とあまり変わらないと思った。120円、160円、190円メニューを主力とし、人気のサーモンやマグロもそこに収まっている。
メニューを眺めると、同価格帯なら1皿を違うネタ同士にしてくれる!ついガッツポーズをしてしまった!1人だとあまり種類が食べれないため、とても嬉しかった。
本当に可能か店員さんに確認すると笑顔で快諾!「イレギュラーにもなるので、専属でメニューを聞きます」と言われた。自分の付近にさりげなく店員さんが立ってくれる。めっちゃサービスいいな〜
というわけで早速…「まぐろ・サーモン」を1貫ずつ注文(190円)。
おお〜!サーモンがいい感じ。脂の乗りもそこそこだ。このシャリからはみ出る細長さが良い!ウマ…ウマいぞ!マグロは、平べっためでちょいと薄めかな?だがデカイ部類には入る!
通常メニューではなく、店に張り出されていた「活ほたて・活つぶ貝」を1貫づつ注文(430円)。
ほたてが分厚くデカイのだが、北海道補正を加えると、もうちょい頑張ってほしかった!味は濃厚でウマい。花まるの「生ほたて」を経験してしまったのがよくなかった…かも?
こちらにも「サーモンのあら汁(240円)」があったので注文!サーモンの具の量のビジュアルが寂しい…「花まる」と「函太郎」のあら汁はサーモンの「カマ」部分が入っていたのだが、こちらは中骨部分のみ。量も少なくちょっと残念。
せっかくなので「生すじこ・生サーモン」(280円)を注文。
こちらのすじこは軍艦に大根おろしが乗っている。生サーモンは若干脂のサシが入っている!ウマいが、やはり物足りなさを感じてしょうがない。個人的には普通のサーモンで十分。
ここのオリジナルの「揚げ茄子味噌寿司」がめちゃくちゃウマかった。これで120円。こういったオリジナリティはとても大切である。
「サーモン醤油漬け(山わさび)・たこの子」(240円)。こちらもなかなか面白く絶品。タコの子供は初めて食べた
「本マグロ赤身・いくら」(330円)のコンビ。こちらもウマいのだが、「トリトンだからこそ!」といった点が少し弱い。
店を出た時、まず感じたのが「サービス最高!」であった。しかし、寿司の感動が薄かったのは正直なところ。ウマいが、少しだけ拍子抜けしてしまった。
北見は、宿泊ホテルの近くにウマい焼肉やジンギスカン屋が多く、それを振り切って1時間歩きトリトンへ向かった。「焼肉も良かったな〜…」というのと「本店にいかねばならない!」という自分の中の妙な葛藤と使命感が、ここで戦いだした。
様々な物を背負い、最終章へと向かう
「函太郎 宇賀浦本店」
最後の店舗は「函太郎」。この表記で「かんたろう」と呼ぶ。主に店舗は函館に多数あり、様々な形態も入れると北海道では10店舗。東京こそ2店舗だが、仙台や新潟、大阪等の主要都市に11店舗展開。
今回の3店舗で、一番全国展開をしている。期待を胸に函館駅から本店を目指した。こちらも本店は駅付近にはなく、離れた道路沿いにあるので結局歩くことに。
バスで行くと早そうだが、バスの本数が少ない。歩いてもまあいいか…といった具合である。向かっていると函館の海が見えてきてこれがまた気持ちいい!
駅から1時間程歩くと重厚感ある、木作りの函太郎が見えてくる。
こちら店内なのだがロケーションがバツグン!向こう側の海が見えて大変気持ちいい。場所ならトップクラス!
サインもバッチリある!店内と窓が大きく突き抜けていて最高だな〜
さっそくこちらがメニュー。125円、190円を主力に置いているのは、花まるやトリトンと同じ雰囲気。北海道の有名回転寿司は、これくらいの値段感で統一されてそうだ。
三貫盛りシリーズも充実している。「まぐろ」「えび」「炙り」「貝」の3貫盛りだ。他にも軍艦や人気ネタも。お酒の充実度は3店舗中トップクラスじゃないのか?ふぐひれ酒まで!
おすすめメニュー。本日特価の生ほたて!この流れだと頼めと言われているようだ…
看板メニュー。しかしここにも「さけのあら汁」が!旬の時期だからか。全てにあったところに北海道を感じてしまう。
さっそく「ばちまぐろ(240円)」「サーモン(190円)」を注文。ベーシックなまぐろの値段は今までで一番高い。(花まるの値段が190円のままなら…)
まぐろは綺麗な大ぶり。ルビーのように美しい!分厚すぎることもなく、薄すぎない。米にしっかり融合する厚さだ。サーモンは逆に厚めなのだが、脂部分というより背の部分っぽい。トロッとした味は感じられない。
結局頼んでしまう「さけのあら汁」。実は看板表記が間違えていた。240円と思い込んでいたが330円。全店舗中いちばん高い値段。しかし身の量も多く悪くない。
しっかりカマが入っている!
函太郎といえばこの「自家製〆さば(240円)」が有名らしい。こだわりの中締められている。こちらは下調べした際に、函太郎レビューでウマそうだったので必ず頼もうと思っていた
ウマい!これは最高。脂も程よく、ウリの商品というだけある。締め具合が抜群。
お約束の「生ほたて(430円)」を注文した。実はホタテって結構割高で、本当に大好きとかじゃなければ190円皿を2枚の方がお得だったりする。
だが、北海道で生ほたてを食べたくなるのは人の情。なかなか大ぶり。大きさ的には「トリトン」より若干薄いかな?くらい。鮮度や甘みを感じ大変ウマかった。
3店舗の総評
全体的な感想としては、3店舗すべてレベルがとても高い。さすがは広大な海に囲まれた寿司である。
ランキングは最初にも記載したが…
- 1 根室花まる
- 2 トリトン
- 3 函太郎
こちらが自分的ランクだ!独断と偏見が入っている。
しかしトリトンと函太郎はかなり僅差。違いは純粋に「ネタのウマさ・値段」である。また、店員さんの質やサービスも、トリトンが多少上と感じた。
「根室花まる」は全てにおいてダントツ!
値段、ネタ、少し無骨な寿司屋の雰囲気が本格な心持ちにさせてくれる!そういえばここだけサインがなかったような気が…遠すぎるからなのか。置かない主義なのか。
そして根室名物「花咲蟹の鉄砲汁」など、主力商品も素晴らしくウマい。ちゃんと「根室感」がブランディングされており、期待に応えてくれる寿司を提供してくれる。これだったら北海道の回転寿司はウマいと言われる理由もわかる。距離的な問題はあるがまず行ってみてほしい。
根室産のネタの多さも魅力的だ。
「トリトン」は、明るい雰囲気とサービス!そしてファミリー感
「まぐろ」や「生ほたて」の大きさ、すじこの違い等。サケのあら汁も、「花まる」にくらべると少し弱い。だが、明るい雰囲気が大変特徴的だった!店員さんの笑顔のサービス。ファミリーレストランのようなオペレーション。テイクアウトの寿司を地元民が楽しそうに詰めていたり、こういったサービスが家族連れには喜ばれるだろう。
また、比較して弱いといっても3大御所回転寿司の戦いの中の話だ。普通にトリトンのネタもでかくてウマい。まぐろも味はしっかりとしたものだった!
攻守ともにバランスの良い印象を持った。
「函太郎」はリッチとロケーション。メニューの選択肢の多さ!
正直言うと、最後に来店したため全てと比べてしまった。
その結果ネタが弱く感じた。サーモンも唯一、脂のり系ではなかったのも残念。あとは函太郎は全店の中、マグロなどの主要ネタも高めに感じてしまった。とはいえズバぬけてるわけではない。この辺りがトリトンの方が上の理由である。
店内の雰囲気は「花まる」のような寿司屋の粋な無骨さとは違う。またトリトンのような明るさもない。寂しいというか…
しかし、〆サバのような力をいれたネタがしっかり映える。酒の種類も用途によっては魅力的な場所だ。ロケーションや立地はも抜群で、それだけで気持ち良くなり寿司もウマく感じるだろう。
以上が3店舗の本店を回ってみた純粋な評価。
- 味と質の「花まる」
- オペレーションの「トリトン」
- ロケーションの「函太郎」
といったところだろう。
花まるの「花咲ガニの鉄砲汁・蝦夷舞茸」、トリトン「タコの子・揚味噌ナス」、函太郎の「シメサバ」など個性的なオリジナルメニューはどれも素晴らしかった。また、普通のサーモンが価格の高い生サーモンよりブレが少なく良い(函太郎は生サーモンを食べてないが…)
他にも何品か食べているが、一部ネタによっては「東京でいいかな?」と思うものもあった。実際に、産地が北海道ではないネタも結構あった。
こればかりはしょうがないのだろう。北海道以外の場合、東京と運ぶ距離に大差ない。ウマさは一緒だと思う。
最初に記載した「北海道のネタが売りなのに、東京の展開は意味があるの?」といった疑問が解決したのはここ。結局北海道で食べようが、普通のマグロは道産じゃなかったり、他のネタも道内以外の場所から仕入れているケースも多い。
そして、北海道のグルメ回転寿司は結構値段も高い。普通に気にせず食べると3500~4000円くらい行くだろう。ぶっちゃけその値段なら、東京でも負けない回転寿司があるかもしれない。
この辺りをしっかり頭にいれて、北海道の回転寿司を指針に入れて行ってみて欲しい。
今回は本店のみの評価だが、店舗によってネタの質や雰囲気も違う可能性がある。実際「花まる」のウマさをもう一度求め、札幌で来店したが「紅鮭生すじこ」が本店にくらべて小さかった。もちろん逆のケースもあるだろう。
まだ東京では行ってないが、この3店舗を都内でも回ってみたい。その際、またこのブログで書かせていただきたいと思う。
美味しい回転寿司をごちそうさまでした!
根室駅
北見駅
函館駅