最初にお伝えしておこう。
レビューには記載していないが、自分の人生で一番うまい塩ラーメンは西新宿にある「麺屋翔」である。初めて食べた時は感動の嵐でその後かなり通った。
こうやって比較を出すのはもちろんよくないと知っている。有名人が記載したら炎上だろう。しかし…書かずにはいられない塩ラーメンに出会ってしまった。下北沢の「麺と未来」だ。
もちろんどちらがウマいとも何も言ってない。だが、確実にあの時の感動をもう一度感じさせてくれる塩ラーメンに出会えた事が嬉しい。
幽遊白書が終わり感動して寂しがっていたら、ハンターハンターの連載が始まったような気分だ。ありがてぇ…
場所は下北沢一番街商店街
自分は近場のため自転車で訪れた。駅からだと北口を出て3分ほどで下北沢一番街商店街に着く。その中に「麺と未来」はそびえ立っている。たまに下北を歩くとやたら行列があり「なんだ?」的でどうでもよかったが、食べた後は神々しい。
もちろん高評価というのは知っていた。数あるサイトで東京全部のランキングでも上位の方に位置する。ただ、ウマいとは思うが「まあまあウマいくらいしょ?」とナメた気分で店内へ入る事にした。
さっそく人気店の洗礼。平日なのに行列だ。3、4人の待ち。それくらい楽勝だなと思ったのが運のつき。待てども待てども進まない。なぜだ…。後悔しながらも結局入店まで30分かかってしまった。
食券を買ってくださいと女性スタッフに施される。さっそく券売機を見る。細麺は売り切れ表記なのですべて「手打ち」から選ぶ。純手打ちの店名に偽りなし。
泣く子も黙る食べログ百名店の表記。食券機の上に置くなんてなかなかニクい。
店内に入り着席すると日本酒のラベルが一面に貼られている。酒好き、日本酒好きとしては感動した。店主さんが日本酒が大好きなのだろうか?
その奥にはなぜか使われてなさそうな小さな寿司屋のカウンター。そのサイドでは店員さんがずっと麺を打ってる。なんだこの空間は…!ここは本当にラーメン屋なのか…?
待ち時間がかかる謎が判明
実はここで、3、4人ほどの待ちでも時間がかかるのが妙に納得した。
- 席は7、8席ほど。
- 1回のロットは3、4杯。そこを逃すと次のロットになる。
- 1ロット出来る時間は体感的に7〜9分くらい。
- 店内で食事をしているお客さんをとても大切にしてくれる。
男性と女性の方が1人づつ厨房にいるが夫婦なのかはわからない。しかしお互いがお互いを尊敬しあってるようなオーラを感じる。
平日ピーク時だと結局後にも先にも30分は見ないとダメそうだ。休日は想像がつかないし恐ろしい。
店内で10分ほど待ちやっとらーめんが来た。
着丼
いや〜まてまて。このビジュアルですよ。もう美味しいしTシャツにしたい。
待ちきれずさっそくスープを…。ふぇぇぇぇ…と。
これしか声が出ない。麺屋翔に初めて行った時を思い出す。何度もスープを味わいこの味はなんだと唱える。あっさりしたなかに何層ものオーケストラが口のなかで演奏を始める。
…が途中で考えるのを止めた。カーズだ。
おそらく無化調はあたりまえだが鳥系、和風系の出汁を重ねたのだろうがそんなの知らん。名曲をいちいち理論的に考えるなと一緒だ。まずは食え。
そしてこの麺が太すぎる。さっそく食べると…口の中が未知なる遭遇。なんだこれ…モチモチモチモチとしてて、けして餅ではない。くにゅくにゅとガムのような。だがしっかりとラーメン感。この麺にジャンルをつけられるのか?麺の加水率は半端なさそうだ。
チャーシューもほろほろだ。太めの麺に巻いて食すとトブぞ。肉巻き麺寿司だ。
海老雲呑はとても丁寧に作られている。メニューにチャーシュー麺でなく海老雲呑麺があるのも納得。かじるとしっかりした小ぶりの海老たちが4つくらい出てくる。
味玉はがっつり出汁が効いた醤油ダレにつけこんだ味が突き抜ける。風味がすごい。メンマも濃い酸味のような出汁のような。料亭で出てきそうな上品すぎる味だ。すべてが主役級。
一つ一つの具材に丁寧さを感じる。そしてこういったラーメン屋は総じてウマい。自分の大好きな翔もそうなのである。
うまさと尊敬の宝庫
総括すると全体的にレベルが高い。ウマいしか言葉にならなかった。スープも麺も素晴らしいのだが、やはり具が一つ一つ手を抜いてないのが好印象。小さなところに細部は宿る。
ゆっくり時間をかけて食べてしまったが店員さんは一切気にせず、ラーメンを作る店主自ら水を入れてくれたり、食べ終わるお客に「ありがとうございます」が響き渡る。
その光景に、正直スゴイと思ってしまった。自分がこれだけ上位の行列もできる店を持ったら同じことができるのか…?と。
売れてる芸能人をはじめとし、会社の社長や役員、上司や営業トップ。スポーツ選手でも政治家でも何でもよし。結果を出せば調子にのるのは当たり前だと思う。そして多少はノってもいいと思ってる。
だがここは。絶対調子にのるなよ。相手を思え。という言葉をウマいラーメンを作る才能のある店主からドンブリとともに受け取った気がする。道徳の授業より確かなものを受け取った。
塩の旅は続く
なぜ今回評価の高い塩を食べに行ったかというと、近々函館に行く予定がある。函館のラーメンといえば塩。その前に東京の塩を改めて確かめたかった。麺屋翔にもまた訪れるつもりである。
あちらで塩を食べた際にはここに記載したいと考えている。
ごちそうさまでした。また行きます。
並んでる際の日傘。配慮が嬉しい。
- 店名 純手打ち 麺と未来
- 住所 東京都世田谷区北沢3-25-1 シャトルヒエイ1F
- 時間 (月)11:30〜14:30 ※50杯限定 (火〜日)11:30〜14:30/18:00〜21:00
- 定休日 無休)
- Wi-Fi 不明