笹塚駅北口を降りてすぐ、駅前交差点から北側に伸びる道「十号通り商店街」を歩くとひときわ目立つポップでピンクの看板がある。
ラーメン屋なのこれ??と最初は戸惑うだろう。いわゆるラーメン屋でありがちな無骨さが0なのだ。
コンセプトや内容がしっかり記載されている
貼紙や店内の記載をみると…ここのらーめんは業務用である濃縮や市販のラードは一切使用せず、店の骨や肉の油からすべてが手作り。あたりまえかもしれないのだが、近年このあたりまえが少ない。
そして「化学調味料にたよらない体にやさしいラーメン」である。
あえて「ぶただしらーめん」とジャンルを付けている。とんこつラーメンといえばあの臭さ、脂っこさ、くどさ。それがウマい的なイメージは拭えないが…このやさしさに満ち溢れたコンセプトは一体なんなんだ。
その秘密を探るためアマゾンの奥地へと潜入した。
店内に入ると女性のスタッフが、らーめんに負けじと優しく元気な声で迎えてくれた。無骨さを売りにしてるラーメン屋もあるけどやっぱり癒されるな〜
写真メニューはこんな感じで「らーめん」「高菜らーめん」「ちゃーしゅーめん」「豚ばららーめん」など。ちゃーしゅーめんは定番の手作りチャーシュー。豚ばららーめんは薄切りの肉を塩胡椒で。両方美味しそう!
こちらは文字のみメニュー。しっかり細かく記載してある。
悩みに悩んだが…まずは「ブタダシの旨味が楽しめるシンプルなラーメン」と記載がある「らーめん(720円税込)」をいただくことに。
店内はカウンターのみ。コの字スタイル。食券を渡した際、スタッフの方が「麺のかたさと脂の量が選べます」との事。だが間髪入れず「脂は普通、麺かため」をオススメしています!と追撃が来た。
否定する理由もない。なぜなら初だからだ。
そして席にはこんなものまで…わかりやすいし親切だ。
ちょうど座った席のすぐ近くに、ありがちな有名人のサイン。中川家きてる!と少し取り乱してしまった。
ほどなくして運ばれてきた「らーめん(720円)」
美しい…ビューテホーホワイティ。具は「チャーシュー」「のり」「ネギ」「キャベツ」特に生のキャベツが乗ってるがインパクト大だ。早速スープを一口頂く。
「うっわやさし〜〜〜〜〜」
というのが最初の感想。聖母マリアに抱きしめられたようだ。だが「やさしさ」が染み込む中に恐ろしい深みを感じる。ただ優しいだけじゃない。その裏には何層もの奥行きのある罠がしかけられている。
こいつはやられたな。と小さい一言が出た。無化調の出汁にこだわりあるラーメンだ。偽りなし。
麺は低下水の細いパツパツの麺。スープにからみ喉を通る。そしてキャベツだ。かみつくとさっぱりとした甘みが広がり、口の中の脂を吸い取ってくれる。
キャベツに妙に納得する。汁を吸った海苔はいうまでもなし。万国共通。
そしてチャーシュー。しっかりウマい。しっかりと肉だ。このチャーシューがやさしさの中にがっつりのエッセンスが加えられ一気にラーメンの満足度を高める。ありがてえ…
やさしさに包まれた幸福感で店を出る
らーめんの全体的な印象はクリーミーで臭みなし。くどいこってり感はない。しかし豚の底力をしっかりと引き出し奥行きがある。とてもウマい。こればかりは食べてみてほしい。
そして着目したいのは全てにホスピタリティが詰まっていること。
無化調のやさしさを出したメニューや「ぶただしらーめん」というジャンル。「らーめん」というひらがな表記。ピンクの看板や券売機の絵など細かいところにやさしさや温もりを感じる。
そしてスタッフさんの笑顔や丁寧さ。こういった店づくりが退店する時に妙なホスピタリティと暖かさを感じてしまい、しっかりとコンセプトが伝わって来る。
そんな体験も含めた優しいぶただしらーめん。ぜひ食べてみてほしい。
というわけで本日もごちそうさまでした。
券売機の絵がかわいい。
テイクアウトも充実だ
- 店名 とんくる
- 住所 東京都渋谷区笹塚2-11-7
- 時間 (火~土)11:00~16:00 、17:30〜20:00、(日・祝)11:00~16:00
- 定休日 月曜・第4火曜(祝日の場合は次の平日)
- Wi-Fi 不明