ミシェランガイド東京というのをご存知だろうか。
簡単にいうと2008年から発行されている東京のウマい店の案内本だ。ここで星を獲得するのはなかなか至難なイメージもあり、同時にかなりのウマさを誇る事を約束されている。
ミシュランでは「ビブグルマン」という星からはずれるものの、安くおすすめできる評価指標がある。今回ご紹介するのはまさにそのビブグルマンに選出されたラーメン屋だ。
実はこのお店、現在ビブグルマンを断っているらしい。あまり有名になるのが嫌なのだろうか?それともビブグルマンではなくミシェランの星をよこせということか?
今回なぜ「くろ㐂」にたどり着いたかというと、ここの店に詳しい知人から「本気のおすすめ」を頂いたからだ。そこまでいわれたら黙ってられないし行くしかないという事だ。
メインの塩ラーメンはどれほどのものなのだろうか。早速店へと向かう事にした。
とにかく並ぶ
場所は秋葉原から線路沿いに浅草橋方面に歩き、途中で少し曲がったあたり。なかなか綺麗な店構えを想像していたが、意外にも小さな親しみのある店が見えてきた。
それと同時に長い列ができている。ラーメンを欲する同志たちよ…。そして下町を感じる店構え。古めの木がいい感じだ。
先に食券を買い行列に並ぶらしい。という事で一足早く店内へ入店する。食券はこんな感じ。写真を撮った際光ってしまい見えにくくなってしまった。
焼売がとにかくウマいと何度も聞かされたので、「焼売(300円)」はマストでポチる。
そして「特製塩そば(1350円)」だ。ラーメン屋なのに1000円超えマスト。すごいと感じたのは普通の塩そばでも1000円。なかなかの価格破壊だと思う。酒もなくラーメン屋に1600円使ったのは久々だ。
店員さんに案内されるがままに並ぶ。
並ぶ…
ならぶ…
ここまでラーメン屋で並んだのは久しぶりだ。ここを目的としてなければこの列は並ばないな〜。知人の「とてもウマい」がなければ…。そう思いながら1時間近く待った。
並んでる間に店員さんに「細麺?手揉み麺?」と聞かれる。まずはデフォの細麺でお願いした。どうやら先頭を見てる限り5名づつのロットで店内にお客さんを入店させているようだ。
やっと店前まで進み、入店!MOTENASHI 頼むぜ!
お店の中へ…
さっそく入ると端の席へ…やった〜厨房が見れる!店員さんは3名。奥の方に光り輝く名将黒木店主。ブログを含めyoutubeなどでも出てくるちょっとモヒカンの方だ。
結構強い人なのか?と思ったが、意外や意外。他に働くスタッフの方にもフレンドリーに接してる。客にもタメ口だが、フレンドリーさを感じあまり嫌味ではない。なるほどこんな感じか。
ラーメンは丁寧に一つ一つ作られてる。盛り付けを二人がかりでのせ、盛り付け後はしっかり丼を拭いている。さすがイタリアンや和食を渡り歩き牛角グループの総料理長まで行った方。脱帽。
料理の仕上げが料亭やレストランの雰囲気を感じる。出す皿ひとつひとつの盛り方にこだわってそう。とても好感がもてる。
そんなこんなですぐにひとつの皿が届いた。
自慢の「焼売」
これが焼売。何度も「これはウマい」と聞いていた一品だ。なんてゴツゴツと憎々しいんだ。いい香り。
さっそく口のなかに放り込む。確かにウマい。肉の一つ一つの粒が荒々しくかみごたえがすごい。確実に主役級の肉の存在感。味はしょっぱめだが是非ビールで流したくなるウマさである。
卓上の黒酢もお好みでと言われたので黒酢をかけてみる。おお!!肉肉しさとしょっぱさが中和されてとてもさっぱりだ。こっちの方が好みだな。そして時は流れ…
念願「饗 くろ㐂」塩そばが着丼
焼売にフムフム…と時間を使っていたら程なくして塩そばが届いた。こ…これがビブルグマンにも輝いた塩そばや〜〜〜!ワクワクが止まらない。
具は、ネギ、ワンタン、チャーシュー、鳥チャーシュー、味玉、つみれ、ドライトマトがはいっている。まず、レンゲでスープ一口いただく。
あ…なるほど。
これが正直な感想だった。ウマい、確かにこだわりでウマいのだが。自分には上品すぎてしまい、多少味がぼやけて感じた。料亭で未知なるヌードルを食べてるような感覚である。
続いて麺を…こちらは細さは問題無しでスッと入るのだがだいぶ柔らかい。もっと細麺はパツパツが好みのため、盛り付けの時間で伸びているのか柔らかめがデフォルトなのか不明。とはいえ麺自体が素晴らしいのでウマい。手揉み麺の存在が気になる。
ワンタンを一口。普通にウマい。せっかくなので特質した何かは欲しいと感じた。味玉も同様である。メンマは薄味で上品だ。和食といった感じか。
この豚トロ?チャーシューなのか?ちょっとわからない。ウマいのだがこうなんか…見た目通りである。もう少し大きい方が味がしっかりと感じれる気が…
鳥胸肉をそぎ切りにしたようなもの。こちらは生の胡椒が乗っていてとてもウマかった。もっとたべたい。
つみれは普通かな…ワンタンが肉のつみれ系なのでエビ団子とか白身団子とか少し変化が欲しい。
スープは意外に鶏油系の油が浮いている。こちらが重たいと思う方もいるが自分はこれくらいが良い。とはいえ少し食べながらバランスが悪目かも?と一般目線で感じてしまった。
食べ進めていると麺量が多く、スープがそこまで大量ではないので麺がどんどん汁を吸ってしまう。そこに主張強めのネギが絡むのでスープが負けて、ほぼネギの味になってしまう。
こういったガチ系のラーメン屋は麺少なめが多いので、多めは嬉しいのだがバランスが悪い。早く麺を食べなきゃどんどん汁を吸ってしまう。ついつい焦ってしまった。
自分のウマいものの基準は、お腹いっぱいでない限りは減っていくのが寂しいと感じるかどうかだ。別の理由で早く無くさなきゃと思ってしまった。それが「バランスが悪い」と感じた要素だ。自分の速度にもよるが。
基本はウマいのでしっかり完食完飲はした。
「くろ㐂」特製塩そばの総評
いろいろと記載してしまったが、全体的なレベルは高い。その高い中での感じてしまった事だ。もちろん好みもある。また、あまりにもの期待が高すぎた。
- 行列
- 値段
- 知人のおすすめ
- グルメサイトの点数
これらを指標にしすぎて、とんでもないものがくるんじゃないかという水準で挑んでしまったからだ。店を後にしながらこういったものは感覚を鈍らせるな〜と思ったのが正直な所である。
前情報もなくフラっとはいって、人があまりいない時にサクッと食べたらどう感じたのだろう?と考えながら席を立った。またそこでも評価は変わっていただろう。時間帯や曜日も含め。
実は今回真剣に挑むために前日のご飯もあまり食べず腹ペコで挑んだ。そんな負荷な期待も良くなかったかも?と考えてしまった。どちらにせよ周りに流されず自己責任でラーメンは食べるべし。
肝に銘じよう。
ラーメンの味を常に変え進化させてそうなご主人なので、もしかしたら今の味はこれなのかもしれない。しかし過去と違うかもだし未来も変わる。時間を置いてからまた挑みたいと思う。いや、挑ませて下さい。
ごちそうさまでした。
- 店名 饗 くろ喜
- 住所 東京千代田区神田和泉町2-15 四連ビル3号館 1F
- 時間 11:00~15:00 ※不定休
- 定休日 日・祝
- Wi-Fi 不明