「小樽といえば寿司」そんなイメージを自分は持っている。
もちろん他にもウマいものがあるが、漫画「将太の寿司」世代としては聖地とも呼べる場所である。そんな小樽に不思議な食堂がある。その名も「シロクマ食堂」だ。名前だけでもアニメ「しろくまカフェ」を彷彿とさせてしまう。
そんなほのぼのとした名前だが、カワイイ食堂ではないのだ。ココにはこだわりとウマすぎが共存している。どこか脳がバグる場所だ。
小樽運河の近くにある小さい店
小樽運河沿い、はずれた場所に「シロクマ食堂」は位置する。実はこの食堂、何年か前から知っていたがより有名な場所になってしまった気がする。道民の方にきくと「あぁ~シロクマね!」という声も。
そして北海道のカリスマ大泉洋氏がウマいとコメントしているようで、そういった影響もあるのだろう。「売れる前から知ってたよ」マウントはダサいので早速レビューを…
あの一軒家と一軒家の小さな店だ。調べなきゃ気付かないだろう。
近づいても小さい入り口。この手作りの看板から様々な料理を出すとは思えない。食べた後に見ると異様なブランディングだと気づく。
早速入店しようとすると、同時に車で訪れた何組かのお客さんが「3人!」や「4人!」とスタッフに声をかけている。自分は徒歩で一人だったためスッと入れた。しかし大人数で来店する際は、駐車場も無く、小さい店なので車内で待つスタイル。
すぐカウンターに通されメニューを眺める。かわいいロゴマークだ。
開いて「牛トロフレークこだわってるな〜!」と唸っていると、次ページは本格的な海鮮丼メニュー。
そしてカニスパゲッティやカニチャーハンが出てくる。今回、写真はないが別ページではステーキ丼やハンバーグ等も…!
簡単に言うと無国籍なのだ。
あと、シロクマ食堂の有名な所がメニューに無いものを「これ作って」とか「これできる?」と伝えると漫画「深夜食堂」のように冷蔵庫からごそごそ出して作ってくれる。5年程前のネットリサーチではそれが有名だったが、現在は表メニューが増えている気がする。
いろいろと迷ったが、ここは北海道産ベニズワイガニの「カニみそクリームスパゲティ」を頼むことに。こだわりのカニみそを使っててずっと食べたかった一品だ。
早速注文すると店主がいそいそと作り出す。フライパンの炒める音と、蟹の匂いが漂う。もうたまらない。
眩しく美しいホワイティングクリーム
きた!見よ!この美しい色。
ビューテホー。ベニズワイガニもしっかりと入っていて、蟹味噌もトロトロだ。このカニもおそらく店内で剥き立て、ほじくり出してくれたのだろう…蟹とクリームの匂いがただよい抑えきれない。早速一口。
ウッマ…
とろけるクリームにカニの身のさっぱりさ。カニみそを溶かし食べるとあまりの濃厚なとろけ具合いとクリーミーさに気が狂いそうだった。
一瞬で北海道が好きなる味。たまらなく瞬時に消える。もっと…もっと!食べたいと思わせる味だ。味変で添えられた「カニ醤油」をかけてみる。
これはすごい。
イタリア→日本に瞬時に味変されてしまった。カニ醤油すごいぞ。クリーミーなのに醤油がしっかりと絡みまさに国際結婚。ウマい。ウマいしか言えない。これだけのために皆は小樽へ行くべし。
シロクマ食堂の総評
一品しか食べていないのだが、この店は「これがおすすめ料理」という概念がなさそうである。そういった空気をビシビシと肌で感じてしまう。全てが本気の食堂なのだ。
スパゲティを食べてる時も、隣のお客さんの海鮮丼のために厨房の奥でマスターがカレイをさばき出した。
同時に奥から生本マグロの塊(寿司屋ではなく買い付け市場とかで見るようなマグロの形を少し保ってるやつ)を取り出してきたり、貝を裏から持ってきてむき出したり。
ここはドラえもんのポケットか?と思わせる食材の宝庫。海鮮丼もマジでうまそうだった。
また、壁に貼ってあるローストビーフ丼の写真を指差し「メディアで見たやつ」とお客さんがコメントをしてたり。別のお客さんは北海道産の牛ステーキ丼を食している。なんなら塊の肉から切って焼いてたんじゃないか?と思わせるこだわりっぷりである。
まさに、一つ一つが手を抜かずにしっかり作っている食堂。それが「シロクマ食堂」なのだ。
そして、お客さんが集まりカウンターで別々のものを好きに食べるシロクマ食堂。味はウマく、こころはほっこり。すばらしい空間だ。
是非小樽にいったら足を運んでみてほしい。そこでしかできない体験があるだろう。