世の中「1位」と「1位以下」に分類される。
結局努力をしても結果がすべてなのである。無情でもあるが、だからこそ1位を取った存在には最高の賛美を送るべきなのだ。
今回は某ランキングサイトで北海道全域で現在1位(2021年現在)に君臨するラーメンを紹介したいと思う。実はこういったものを頼りにめちゃウマいという展開は期待していなかったが、スマンめちゃウマかったです。
そんな透き通るような「塩らぁ麺」をご紹介したいと思う。
北海道の中心地「札幌」
場所は、札幌駅から時計台方面に歩くと見えてくる。時計台のすぐ近くなので、観光のついでに寄れるという好立地だ。北海道はとても広いので、行きやすい場所にこういったラーメン屋があると嬉しい。
とはいえ有名店。並ぶのは必須だと思ったので、開店より20分ほど早く行く作戦にした。最近ウマい物を食べに並ぶことが多いのだが、すべて開店後少し経ってから急に混み出す。むしろ開店後1時間待つより、開店前に20分待つ方が早いのだ。
この店は現在11:00~15:00迄しか開店していない。そのため10:40に店に着いた。なかなか個性的な外観。
ドラクエのような地下階段を降りて向かうと、意外にキレイな店が出てくる。
案の定20分前で先客3人。これなら1ロット目で確実に入れそうだ。店内ではなく外の階段に食券機が存在している。さっそく購入。
普通のラーメンで「醤油:1100円(税込)」「塩:1150円(税込)」だ。これはなかなか高い。東京なら調子こいてるので(失礼)場所代を含め高いというのはありえるのだが、北海道ではあまり見ない。
看板である。特製の2000円はなかなか強気。個人的には外すと凹みそうなので、まずは普通の塩にしてみた。
前情報では、「北海道の新得地鶏」「熊本の天草大王」など、全国の有名地鶏の鶏ガラと丸鶏で取ったスープの出汁を使用と聞いていた。黒板には本日の地鶏が「比内地鶏」と書いてある。比内地鶏のみなのか、それとも比内地鶏を中心とし様々な地鶏を混ぜたかは不明である。
泣く子もだまる百名店の看板。この看板に騙される時もあれば、偽りなしもある。どちらに出るか。
さっそく店内へ
実は並び始めたときから店内では、サービス業でよくある教訓を読み上げるような声が聞こえていた。
なかなか気合入ってるな~と思っていたが、10分前には店員さんが出てきて席に案内される。早めに並ぶことの特権だ。作戦がうまくいった瞬間である。
席に座るとこんな感じ。木のお盆にレンゲとハシ。卓上調味料いっさいなし。なんだここは料亭か!しっかり整えられたカウンター席だ。
店内は綺麗でライトもおしゃれ。目の前では炭で肉を炙っている。すでにウマそうだ。見渡すとテレビカメラや取材の人が何人かいる!?どうやら1ヶ月後に全国ネットで流す取材日だったらしい。なんかすごい時に来店してしまったな~。
だが、主人の気合が入った顔と共に、カメラの前で丁寧にラーメンを作っているのを見ると、逆に本気の一杯が食えるかもしれないとワクワクした。
さあ…どうでる。
「塩らぁ麺」着丼
10:59にラーメンが目の前に。開店時間より早く着丼してしまった。早めは大切だと実感。目の前に置かれた瞬間、あまりの美しさに見とれてしまった。これはウマそうだ。
透き通る塩のスープに、浮かぶ鶏油。早速スープを一口。
おお~~~!ヒッツ!スープは上品で上質。なのに鶏油にパンチがあり、合わさった時のクリーンヒットがたまらない。最初淡麗か?と思わせといて散りばめられた鶏油の強い味がとてもいい仕事をしている。
最初の一口より飲み進めるたびに、味が混ざり中和していく。後半には、様々な隠れていた出汁が「ちょっとまった~」と主張。柳沢慎吾だ!
昆布系などの出汁の味も散りばめられ広がるような。正直秘密がわからない、色々入ってそうだ??食べ進めるほど、複雑に舌に絡みつきクセになる味である。
こちらは麺。北海道産小麦の粒が主張するこだわりの麺である。少し柔らかめだが、それが逆にヨシとするくらいしっかり小麦の味がしてウマい。
北海道産の豚チャーシューのロースとバラ肉。見たとおりのウマさだ。油がしつこくなく甘い。そしてこの薄さが淡麗塩と中和してバランスがとてもいい味をしている。一体感を大事にするこだわりを感じる。そのままでも十分ウマいはずなのだが、スープと合わさったチャーシューの味がたまらない。
見よ!この長すぎるメンマ。こういったメンマは本格志向のラーメン屋定番である。
だがちょっと長く、でかすぎるのでもう半分くらいに切った方がバランスは良いかもしれない。柔らかくて食べやすければいいが筋が残っていたので、麺との一体感を邪魔してしまう。
とはいえ、その後はとにかく一心不乱に食べてしまった。スープもすべて完飲。店を出る頃には店内や行列の待ち人がたくさんいた。
Japanese Ramen Noodle Lab Q の総評
店の作りやコンセプト、雰囲気、味含めレベルの高い一杯だった。麺とスープの量のバランスもパーフェクトで、何より具とスープの一体感が素晴らしかった。
新進気鋭系ラーメンは、ラーメンの枠内から外した一杯になるケースも多く、「あれ?これラーメンだっけ?」という腑に落ちない味になることもありがちである。しかしここは「ラーメンらしさ」を残しながらレベルを上げた店に感じる。ああ~ウマいラーメン食ってる。と感じる一杯なのだ。ここが満足度が高い。
また、店主の本気な顔で作ってる一杯をカウンター越しに見ると、こちらも真剣にアンサーを返したくなる「もてなしを感じる一杯」でもあった。
札幌ラーメンといえば「縮れ麺」や「味噌」を想像するが、ご当地の定番を食べたいと思うのは必須である。自分もご当地を散々食べた後ここに行ってみようかなという考えになった。
しかし、今回のような東京でいかにも流行っているビジュアルのラーメンも唸るウマさであった。定番ご当地ではないが「北海道産を中心とした厳選素材」、「広い土地(店内)、居心地のいい店づくり」を含め、北海道ならではの本気ラーメンである。
おそらく「これで1位の味か…」ではなく「さすが1位の味だ…」と店を出ることになるだろう。是非みなさんも札幌に行った際は、このラーメン屋へ行くことを予定の中にねじ込んでほしい。
どうやら醤油ラーメンの醤油も、10種類ほどのブレンドをして作っているらしい。是非こちらも食べてみたい。
ごちそうさまでした。
- 店名 Japanese Ramen Noodle Lab Q (ラーメンキュウ)
- 住所 北海道札幌市中央区北1条西2-1-3 りんどうビル B1F
- 時間 [月〜土] 11:00~15:00
- 定休日 日曜日
- Wi-Fi 不明