先日、人生初の福岡へ行ってきた。今まで飛行機が苦手で乗るのをずっと避けてきたがいろいろな機会が重なり勇気を出して飛行機に乗った。
あまりの怖さに震えていたが、いざ乗ると「なるようになれ!」と気持ちがチェンジしてしまうものである。もちろん怖かったが、人生初の福岡へいくための代償と捉えておこう。
無事ついた安堵といったら思い出しても貴重な経験をした。
ラーメンである
さて、気持ちを切り替えグルメの話へ。福岡についたらラーメンである。ご存知の博多ラーメン。
ここで色々と彷徨った結果、人生初の博多ラーメンはこの「赤のれん」に決定した。一緒に同行した九州出身の友人が赤のれんは古くて昔から親しまれているとのこと。そこに心を動かされた。
いまの流行りや、最新の味とかではない。地元の人が子供の頃から慣れ親しむ味。食さないわけにはいかない。だれだってそーする。オレだってそーする。
ここに決定。博多ラーメンの最初を奪うのは赤のれん。
外観の写真は撮り忘れてしまった。むしろ食べ物に走りすぎて写真をあまり取らなかった。ネットなどで検索して外観のイメージを頭に植え付けながら読んでもらえるとありがたい。まず目に入るのが…
「創業昭和21年」の文字が輝く元祖赤のれんの看板。天神は本店ということでかなり期待が高まる。
時間的に早かったので、待ちは無し。サクッと入りカウンターへ静かに着席。自分と向き合う神聖な儀式だ。ラーメン一筋というより、お酒やおつまみも充実している。とてつもないコスパカ好み。わいわい飲み屋のように使ってる人たちもたくさんいて、早速福岡の風を体で感じる。
のちのちブログにも記載するが、この後にいくshinshinという店も人気店のわりにそんな感じだった。福岡ってこんな感じのラーメン屋さん多いの?
ラーメン580円
瓶ビール530円(税込)と普通のラーメン並580円(税込)を頼む。デフォでラーメンの値段の安さにビクつく。福岡在住のタクシー運ちゃんに聞いたのだが周りが高くなりすぎとのこと。
運ちゃんいわくもともとこれくらい、もっと安く食べれたとの事。博多ラーメンで1000円とかなんてぼりすぎと言っていた。けしてラーメンを軽く見てるわけではない。しかしラーメンはいつだって身近でいてほしいはず。
先に来た瓶ビールで喉を汚しながら程なくして到着。最初の感想は丼は小ぶり、しかしバランスが良い盛りで美しい。
しかもスープは真っ白ではなく少しくすんでる。醤油の色なのだろうか…
まちきれなく早速スープをレンゲですくって一口。「あっさりしてる…」が初印象。豚のクセのある匂いと共に、サクっと胃に入っていく。
コクや深みも適度にあり、とんこつの味だが何処か軽め。
だがしかし豚の獣感もしっかり感じる。まったりとしたクリーミーさは低いと感じた。東京でいう町中華の醤油ラーメンのように、「おばちゃんラーメン!」といったような文化が博多とんこつという郷土の味に変化したラーメンのようだ。
そう…あくまで地域に根付いた「博多ラーメン」がここにあるのだ。この味が昔から根付いてるという歴史をこのスープの洗礼を受ける。
麺でおどろく
最初の注文で麺の固さを聞かれなかったので、あわててバリカタへ変更。普通聞くだろというのは東京の常識のみなのだろうか?と脳裏によぎる。そして麺をすすったときに驚いた。いわゆる細い麺を期待していたが、なんと少し平べったく細い麺!
稲庭うどんを極限まで細くしたような舌触りに不思議な気持ちになってしまう。
個人的には細いあのパツパツな博多ラーメンの麺をすすりたい思いがあった。しかし郷に入れば郷にしたがえ。異文化の風と洗礼を浴びた気がする。もちろん食べ進めればウマい。この一杯にとんこつの常識を覆されたような気がしてしょうがない。「たかが一杯されど一杯」…この言葉を思い出した。
一軒目だが衝撃が大きかった。食べるたびに新しい文化と根付いた歴史が身体から突き抜けていく。この後に他店を食べた時の気持ちはどんな感情になるのだろうか。わくわくしてしょうがない。
昔から東京にある町中華。そこで根付いた醤油ラーメンが東京一の絶品というわけではなく、一つの文化であるように。この一杯から博多の根付いた文化を確かに受け取った気がした。
長々と書いてしまったがしっかりと炊いたとんこつを感じることができるこの水準はさすがである。是非博多へいった際は赤のれんは必ず食べてほしい。
ごちそうさまでした。